読書

アメリカ生活
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趣味の投稿で触れました「読書」で、私の場合はハード・ボイルドまたは探偵小説に偏っていました。何といっても若いころから大藪晴彦のハード・ボイルド小説に耽溺しました(͡故・大藪先生に失礼)。あらゆる書店に立ち寄った際に、大藪晴彦の持っていない小説があれば全部買う、ということをやっているうちに、恐らく文庫になったすべての作品を持っていると思います。

映画にもなった有名どころとしては、松田優作の「野獣死すべし」「蘇る金狼」や草刈正雄の「汚れた英雄」などです。

百何十冊もあるどの本も最低2回は読んでいます。多いものになると10回以上は読んでいますし、何故だか飽きが来ないし、読み始めるとストーリーを知っているにも関わらず、時間がある限り最後まで読んでしまう、というなんとも時間のもったいないほどのファンです。大藪小説が自分の身の回りに全部あり、いつでも手にとって読めるというのはすごく安心感があります。

耽溺と言ったのは、大藪小説は基本的に主人公が犯罪者であることがほとんどなので、少なくとも俗に言う「優良図書」ではないからです。そういう意味では、教育上小さなお子さんとかには薦められません(笑)。純文学や歴史書が好きであればそれに越したことはなかったのですが、それはこれから挑戦したいと思います。

野獣死すべしはここから

ところで、ハード・ボイルドとは、ハード‐ボイルドhard-boiled】 (「固ゆでの卵」の意から転じて冷徹・非情の意) ①感情を交えず、客観的な態度・文体で事実を描写する文学の手法。ヘミングウェーらによって確立された。 ②推理小説の一ジャンル。1の手法を応用し、非情な探偵を主人公とするもの。ハメット・チャンドラーらが代表的な作家。と広辞苑では説明しています。今、調べるまでヘミングウェイとチャンドラーを名前くらいしか知りませんでした。

甘口の小説が多いとお嘆きの貴兄へ、大藪晴彦。

・・・という読書事情を持った私がアメリカへ来て、趣味と実益を兼ねて手に取ったのは、Richard Starkという作家のThe Hunter。のちに、タイトルがPay Backに変わり、メル・ギブソン主演の映画にもなっています。原作はもちろん面白いですが、映画の方も珍しく面白かったです。敵の配役やエンディングの違うバージョンが存在するのも興味深いですよ。ただ、原作は古い(1968年)ということもあるのか、文章が英語の素人にはなかなか難しかったです。ハードボイルドは文字通り、本人の感情を文章にしてくれませんから、動作、所作からその人の気持ちを類推しなければなりません。例えば、「イライラしていた」の代わりに「タバコを乱暴にもみ消した」とかまどろっこしい表現が多いのです(笑)。

もう一人の作家は、Robert B. Parkerというハードボイルドの大御所で、この人のは大変読みやすく6冊ほど読みました。日本で人気があるようで、下記のEarly Autumnという本は、「初秋」と題された日本語バージョンも日本へ行ったときに普通に書店に置いてあったので、試しに読んでみました。

スペンサーという剛腕探偵が主人公で、このEarly Autumnだけはちょっと趣向が違って、調査している夫婦に放っておかれ、何も中身のない15歳の息子を引き取って一人前の男にする、ような熱血漢の話でした(笑)。しかし、文章もストーリーも英語初心者にも読みやすいものでお薦めです。

日本語版は・・・さすがにカタカナで書いた人名や地名、日本語の風景描写など、なかなかイメージが湧きにくいと私は思いました。機会があればどういうところがそうだったのか、両者を読んだ観点から書いてみたいと思います。

その他、近いジャンルとしてはミステリーも若いころ読み漁りました。松本清張、江戸川乱歩、横溝正史など昭和の大御所作家の探偵小説です。技術や科学、防犯システムの進歩で当時のトリックや刑事捜査、鑑識技術が現在と違いますから、今の若い人が読んでピンと来るのか疑問なところもありますが、時代を超えて映画化、ドラマ化される巨匠作家の作品はどれも面白いです。私も防犯カメラやスマートフォンがあるという設定の「最近」のミステリーを読んでみたいものです。

ミステリーとしてアメリカで薦められて読んだのがこれ、Tess GerristsenのVanish。これは400ページほどある分厚い長編のペーパーバックで読むのは大変ですが、これは・・・・・・超面白かったです。これほど、手に汗握る展開のミステリーものは松本、江戸川、横溝先生のものにもなかったのではないかと思うくらいです。もう次の章が早く読みたくてしょうがない、と最初のほうからなってしまうほどの逸品でした。お薦めです。

もしあなたが読書がお好きならば、こちらにいても英語のノベルを読むといいですね。それが、映画やテレビ鑑賞でも良いと思います。好きなことは始めやすい、続きやすいですから趣味を簡単に実益にしてしまいましょう。

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