日本語で「ケツの青いガキ」とか「青二才」という、いわゆるベテランでない「若僧」を指す言葉がありますよね。社会人になって一桁年数くらいだと、その道何十年のベテラン達にそのように言われてしまうのもある程度は仕方のないことです。技術や技能がものを言う、奥の深い世界では確かにその通りですから。
そこで「ケツの青い」というのは、どうやら日本人を含むモンゴル民族特有の「蒙古斑」からきているものだと思います。「青二才」も「まだケツの青い二歳児」から来ているものだと思います。
ということで蒙古斑のない欧米人には、そんな言葉はないし、通用しないわけですね(笑)そういえば「アメリカ生活編~医療~出産」の項で下記のようなことを書いた覚えがありました。
息子が生まれた直後に、「あなた方はこの子供を育てる意志がありますか?」とお医者さんがまじめな顔をして聞くので、当然「はい、もちろん」と答えます。冗談で言っているものとばかり思ったのですが、「いいえ」と言うと赤ちゃんを病院へ置いていくことができるそうです。親が育てられない場合、生まれた赤ちゃんをしかるべき施設で育てるという仕組みがあるということですね。その後、「写真を撮らせて欲しい」と何人かのお医者さんがやってきて、なんと撮りたかったのは「蒙古斑」でした。当時は日本人というか、モンゴル民族の赤ちゃんが珍しかったのでしょう。もっと珍しかった時分は、蒙古斑が虐待の痕跡ということで、その両親が追及されるということもあったとお医者さんから聞きました。蒙古斑がモンゴル民族にしかない、ということを再認識した時でもありました。余談ですが、「ケツの青いガキ」や「青二才」は、そのまま英語にしても当然通じません(笑)。
では、英語ではどのような表現があるのでしょうか。もちろん「若い」とか「未熟」とか「素人」とかでは面白くないので、「ケツの青いガキ」のような、真っ向から見下した(笑)ような表現がないものか、アメリカ人に聞いてみたら、「”wet behind the ears” だな」とのこと。
なるほど、辞書にも「否定的」とありますし、だいたい良さそうです(笑)。
わたしはそのような面白い言い回しを聞いたときは、なぜそのように言うのか、語源は、などと聞いてアメリカ人を困らせるのですが、これについては、
「生まれたばかりの動物の赤ちゃんは、耳の裏がなかなか乾かずに濡れているから」
というのと、
「子供のころはシャワーを浴びた後に耳の後ろは自分でうまく拭けずに、親が拭くから」
というふたつの意見がありましたが、どうやら前者が正解のようです。ということは生まれたばかりの赤ちゃんということで、3~4歳まで蒙古斑が残る「ケツの青いガキ」よりも、かなりバカにした表現ということですね(笑)。