アメリカで物価が高いと感じられるのは、外食、中古車、でしょうか。もちろん大都市圏の地価は銀座や田園調布に負けないくらいの単価のところもたくさんあるようですが、それ以外はおおむね日本より「少し安い」か「かなり安い」と感じる品目が多いと思います。
資源のある国ですから自給率が高くて食料そのものは安い、とか、国土が広いからちょっと郊外に出れば地価はタダ同然とか、車の税金とかガソリン代とか日本と比べれば桁違い(とまでは言いませんが)半額くらいではないかと思うものも多いです。
その中で、今回は酒好きからするとたまらない「ビール」の話題です。アメリカのビールの代表格「Budweiser」は私が来た2001年当時は$15.99/30本入りで売られているのが普通でしたから、$0.53/本(350ml)ということで、当時の円高を考慮せず1ドル=100円としても、50円そこそこだったわけですから、当時230円出して買っていた日本のサッポロ黒とかに比べれば、「飲み放題!!!」と思っていたわけです(笑)。
インフレとしては健康的に進んできた2020年の今現在でも、$18.99/24本入りが多いようで、$0.79/本ですね。「Budweiser」とか「Miller」などのメジャーな大量生産のものでよいのなら、まだ飲み放題価格です(笑)。居酒屋で飲んで$2くらいでしょうか。また、そのメジャー級のメガ・ビールカンパニーにこだわらなければ、もっと安く$0.45/本くらいのものはあります。
24本パックや30本バックはまとめ買い効果もあり安いですが、いわゆるSix Packと言われている瓶入りのものですとそこまで安くありません。Budweiserでも$7くらいはして一本1ドルということになります。
わたしの場合は若いころは質より量!と思っていたところもあり、問題なくMGDなんかの30本パックを買っていた時代が長かったのですが、年齢も重ね健康志向やグルメ志向も相まって、今飲んでいるのはIPA (India Pale Ale)。
Ale(エール)ですから、最近の大量生産に向いたLager(ラガー)と違い少々高いのが普通のようです。わたしも詳しくは知りませんが、Aleというのは昔ながらの常温発酵で作られたビールで、日本のビールやアメリカのBudなどのいわゆる売れセンのビールはみんな低温発酵で作られたラガーです。常温発酵する酵母を使うからどこでも作れる代わりに、発酵の管理が難しく手間賃がかかると聞いたことがあります。
また、発酵の終わった酵母をフィルターで取り除いたものが「生ビール」で、加熱して酵母を殺したものが「生でないビール」ということらしいです。なので、いまどき瓶ビールであろうが、缶ビールであろうが「生のラガービール」であることがほとんどなのですが、そうでなかった時代の名残で樽詰めされたものをジョッキで飲むビールを「生ビール」と言うのだそうです。そうですね、「生ビール!」と頼んで、「これも生ですよ」と瓶ビールを持ってこられたら怒ります(笑)。
ちなみにIndia Pale Aleというのは、もともと英国産で植民地であるインドに発送するために防腐効果の高いホップを大量に使ったというものがオリジナルのようで、そのために「インディア」とはついてはいるが、インド産でもなんでもないとのことを最近知りました(笑)。
日本では、「モルツ」や「エビス」などの麦芽100%のようなビールが高級、また麦芽率が高くないとビールと呼ばない、ような決まりがあると聞いたことがあるので、ホップが多い???と不思議がりながら試したものですが・・・なんとも芳醇で飲みごたえのあるビールです。アルコール度も一般的なビールよりは高く7~10%くらいのものが多いようです。
わたしが飲んでいる「Peak」のIPAは7.1%。ビール業界ではあまりない「USDA ORGANIC」なんです。IPAですから値段もちょっとお高く、$10.99/6本(缶)、瓶だと$13.99です。ただ、どこの酒屋に出回っているほど流通しておらず、わたしの行きつけの酒屋にもわたしが飲む分くらいしか入荷されませんので、いつも取り置いてもらっています(笑)。ちょっと飲み放題的な価格ではなくなってきましたが、年齢的にも、ガブガブ飲むよりはおいしいものを適量に・・・といきたいところです。アルコール度数も高いので結構ガツンと来ます(笑)。
ミケロブにもOrganic種のものが最近出てきましたが、ひとたびIPAを飲みつけると、薄くてマズい・・・アルコール度数というよりは、「味」と「香り」です。IPAにもいろいろあっていろいろ飲みましたが、このPeakのレギュラーIPAは飲みやすくて、味と香りがしっかりしている、本当にお薦めです。Peakのウェブサイトのメニュー「about Peak」→「find our beer」で取扱店を探せます。わたしはたまたま行きつけの酒屋が取り扱い店で出会うことができ幸運でした。