今回は純粋に英語表現についての投稿です。
毎日聞くと言っていいほどの表現なのに、どの辞書やスラング辞典でも出てこないし、アメリカ人に聞いてもなぜそういうのか分からないというのはほとんどないものですが、あえて「コレ」と言えば、
work off of ~
という熟語(?)を挙げます。わたしの業界では頻出するし、話の前後から意味は推察できていてその理解はあっていました。使われ方は、
Let me work off of your ideas. Will see what I can develop.
のようなことが多いですので、まあ let me start working on it with your ideas みたいなもんだろうと思っていました。アメリカ人に念のため(何人かに)意味を確認したところやはり
work based on ~ , start with ~
という意味であるということ。だいたいわたしの理解はあっていますね。上の文章ならば、「あなたのアイデアを元に進めて(始めて)みます。どんな進展できるか見てみます。」という意味になります。
ただ、この「work off of」は英和辞書はもちろんどのような(日本語の)英語サイトでも取り扱われていませんし、アメリカ人向けの英英辞書などでも取り扱われていません。わたしの知る限り、「English Baby」という英語に関する質問サイトに唯一訳がありました。
わたしが思うに、もともとはwork based off of ~ (based off of はbased on の旧体)と言っていたものが口語で短縮されたのではないかと勝手に思っています。
ややこしいことに「work off」には英和辞典によると下記のような意味があり、of がなければ「あなたのアイデアを取り除くよ」という意味になりますからまるで正反対です。
このような例はわたしにとってめったにあるわけではなく、非常に珍しいので記しておきたいと思いました。
とても紛らわしいトリッキーな俗語(スラング)英語表現でも、ネットなどで調べれば出てきます。たとえば、bad = excellent, good というスラングや、強い否定の二重否定 No nothingなどでしょうか。実際の英会話では皮肉や冗談を含めればそのようなことはたくさんあります。badの逆で、「sweet」でも「excellent」でも、皮肉をこめて very bad の意味で使われることがありますから。現代日本語の「ヤバくね?」=「すごく良い」みたいなもんでしょうか(笑)。
要するに、契約書、教科書や新聞のようなフォーマルものでなければ、文脈を読む、行間を読む、表情を読む、というのは日本語であっても英語であっても必要なことかもしれませんね。